小山田です。
先日IBCの66周年番組に上の写真『逃亡者は北へ向かう』の著者、柚月裕子さんが出演していました。釜石出身の小説家がいるのは知っていましたが、何も読んだことがなかったので、せっかくなのでと思い・・・8冊も立て続けに読んでしまいました。(笑)
そして8冊目に読んだのが『逃亡者は北へ向かう』です。第173回直木賞候補作(2025年上半期)で、2026年6月に東京芸術劇場で舞台化も決定しています。
直木賞の候補作になるくらいなので、それは面白くて当たり前ですが、それよりなにより小説の舞台になった所は、福島県に始まり「北へ向かう」んですが、宮城県、岩手県と北上し、目的地は宮前市という完全に宮古市の設定なんです。
最後のクライマックスは避難所になっていた「宮前小学校の体育館」で、宮古小学校のニオイもプンプンします。宮前市立病院も高台にある設定とか、宮前警察署は津波の被害を受けたとか・・・なにより一番印象的だったのが、主人公の父の職場が「リアス警備」という警備会社。完全に実在する会社をパクったとしか思えません。(笑) 今度、社長に会ったら教えてあげようと思います。(笑)
大まかなあらすじはこんな感じです。↓ ↓
2011年3月11日の東日本大震災直後、福島県で二つの殺人事件が発生。容疑者として浮上したのは、22歳の青年・真柴亮。天涯孤独で児童養護施設育ちの彼は、職場の先輩に誘われた店でのトラブルに巻き込まれ傷害事件で勾留されていましたが、震災の混乱で処分保留となり釈放されます。
しかし、釈放後、半グレの男から逆恨みで襲われ、もみ合いの末に相手を刺殺してしまいます。さらに逃亡中に職務質問を受けた巡回中の警官ともみ合い、奪った拳銃が暴発して警官を死なせてしまいます。
死刑を覚悟しながらも、真柴は「どうしても会わなければならない人物」を探すため、北へ北へと逃亡を続けます。一方、彼を追うのはさつき東署の刑事・陣内康介。陣内自身も震災で幼い娘を津波で失い、家族の捜索を後回しにしながら、執念の捜査で真柴に迫ります。
逃亡の途中、真柴は家族とはぐれたらしい5歳の少年・直人と出会い、孤独な心を通わせながら被災地の壊れた道を進みます。震災の混沌とした被災地を舞台に、理不尽な運命に翻弄される青年の逃亡劇と、刑事の葛藤が交錯します。真柴の北へ向かう理由、選べなかった人生、壊れた道の果てに、二人はそれぞれの「明日」をどう迎えるのか——。重くやるせない人間ドラマが描かれた作品です。
ちなみに「5歳の少年・直人」とは、宮前市に嫁に来た母子が、大渡市(ほぼ大船渡市)に里帰りした際に津波の被害に遭うという設定です。
本書は昨年の2月に刊行された本ですが、忘れかけている東日本大震災について、とても思い出し、そして深く考えさせられます。さらに宮古が舞台になっているということもあり、宮古の読書好きの方には是非オススメしようと思います。
私は読書のアウトプットをしています。柚月裕子さんの作品は8冊は読みましたが、6冊はアウトプットしています。下にリンクを張っておきますので、ヒマな人は読んでみてください。(笑)