2024/01/22付、日刊岩手建設工業新聞_宮野社長の時評 に「道は命をつなぐ」と題して、能登半島の現在をみると東日本大震災を思い出し、道路の大切さを説いている内容でありましたが、私はこの内容を読んで一冊の本を思い出したので、一部を引用させて頂きます。笑
宮古市長になる前には、開業医として重症患者を約100キロメートル離れた県都盛岡にある岩手医大や県立中央病院に救急車で度々搬送したが、途中で看取る事態になったらどうしようという緊張感の中で同乗していた。
駆けて来た手紙/熊坂義裕 より
「道路がもっと整備されていれば」と何度思ったことだろう。地域の基幹病院に勤務していた時も患者到着までの道路事情を考える習慣が自然に身についていた。
市長に就任してからは、高規格救急車や救急救命士の増加、防災無線設備の充実、要介護者や災害弱者情報を消防緊急通信地図情報システムに載せる(全国初)等、市民の命を守るために行政ができることは精一杯やってきたが、結局はどのくらいの時間で病院に運び込めるかが生死を左右するケースも多い。
一般に、道路を始めとするインフラ整備の必要性については、B/C(Benefit By Cost=費用対便益)の考え方で論じられることが多いが、医師や市長としての立場と経験からB(便益)の中に経済的な観点(道路で言えば、車の通行台数や産業への貢献度、都会までの所要時間など)しか盛り込まれていないのは理不尽であり、「人の命」や「防災」という観点も入ってしかるべきだと自然に思うようになっていった。
そのようなことから、高次医療機関までの時間・距離のマップを作って道路整備の優先順位に反映させることの必要性や道路が災害等で寸断された際のう回路の大切さを感じてきた。部会では「道路が整備されて助かる命がある。道路は命の道」とまとめた。
私の発言を受けて座長の中村氏が、「命の道」という言葉に「目から鱗が落ちる思い」と話され、その後に起きた東日本大震災を受けての全国紙の論壇の中でも、「道路があるかないかは人の命にかかわる」と私が話したことが忘れられないと記して下さった。
東日本大震災を受けて道路整備が一気に進みつつあるのは嬉しいが、震災前に道路が整備されていれば助かった命も多かったはずだと、内心忸怩たる思いがあるのも事実だ。一日も早い「命の道」の整備を期待したい。
元宮古市長の熊坂義裕氏の本です。私は電子書籍を購入して読みましたが、とある期間、患者に配りまくっていたらしく、もらった人の話は何人も聞きましたが、本の内容について語った人と出会った時がありません。笑
私は受診した時、率直な感想を伝えたら、とても熊坂氏は喜んで話し込んでしまい、脇にいた看護婦さんの冷たい目線が気になったものでした。笑
私が建設屋なので「道路が大事」というと、いろいろとお金の匂いがするなどと、批判する人はいるかも知れませんが、「地方部だからこそより道路は重要」と声を大にして言おうと思います。笑
熊坂義裕さんが、『政経東北』に連載していたコラムをまとめた新著『駆けてきた手紙』を出版しました。5年分60回と特別座談会が掲載され、読み応え十分です。
— 月刊政経東北|多様化時代の福島を読み解く (@seikeitohoku) March 1, 2021
「復興考える契機に」 前宮古市長・熊坂さん、著書「駆けて来た手紙」を出版 | 河北新報オンラインニュース
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東日本大震災の際、道路が通行できない理由のほとんどは「津波によるガレキ」が原因だった。しかし能登半島地震は道路地盤の変動によるものが多い。そのため埋設されている水道管のダメージは大きい。報道はあまりされていないが下水道管のダメージも計り知れないだろう。https://t.co/Oo74npyNH5
— daisuke_oyamada (@daisuke190) January 22, 2024